刺青事典

-刺青-

刺青とは身体装飾を目的とし色素を針を使い真皮に定着させるものを指します。刺青は肌に墨を刺し入れると青みがかった黒になるという意味があり、谷崎潤一郎師の著書の題名で「刺青(しせい)」が使われたのが最初だそうですので言葉としては比較的新しいものに…

-手彫り-

日本伝統刺青における手彫りとはマシンを使用せずノミ又は刺し棒と呼ばれる棒の先に束ねた針を固定したものを片手で肌を張りもう片方の手でノミを持ち針先に墨又は顔料を付けて彫る技術を指します。手彫りはマシンに比べ痛みが少なく治りが早いのが特徴で…

-手描き-

日本伝統刺青における手描きとは、図柄をステンシルを使用し肌に転写するのではなく、肌に直接書き込む技法を指します。和彫りの場合、額彫り仕上げが通常で体の部位全体を覆うように彫り込むので体の曲線に合うように或いは曲線を使って躍動感を出すような構図にする必要があるので…

-我慢-

日本の刺青/和彫りにはいくつかの呼称がありますが、その中に我慢というものがあります。基本的に和彫りは額彫り仕上げですので部位全体を覆うようにほぼ隙間なく彫り、特に手彫りはマシンより時間がかかります。ですので、たとえ片腕半袖仕上げるにもお客さんは根気と忍耐が必要になり…

-様式美-

全ての国の伝統刺青には決まり事があり、そこには呪術的或いは儀式的な意味合いが含まれているものもあります。こと日本の刺青/和彫りに関しては大衆文化としての側面が強いのでそういった意味合いは薄いですが、図柄や背景の正しい組み合わせや配置のきまりごとが…

-額彫り-

額彫りとは和彫り特有の表現方法で主題に雲や波、花などの背景を付け加え世界観を表現します。又、額彫りにする事によって絵画を額装するのと同じく主題を引き立たせる効果があります。額彫りは決められた形があり、基本的に腕部と背中のみ独立して配置する事が…

-見切り-

見切りとは額彫りの墨が入っている部位と入ってない部位の境界線の形状を指します。見切りは和彫りにおいて最も重要なものの一つで、その仕上がりで作品全体の印象が大きく左右されます。また、見切りは一門や地域によって個性が出る部分で、見切りからその…

-隠し彫り-

隠し彫りとは上腕内側と足の付け根の内側に彫る刺青を指します。基本的に額彫りは脇の下と足の付け根の内側に余白を確保します。理由は諸説ありますが額彫りの様式美としてのバランスとこれらの箇所はかなりの痛みを伴うので。通常総身彫りが完成した後に…

-墨-

日本では刺青に使用する黒インクは書道で使用する固形墨を使用してきました。全ての固形墨が刺青に使用できる訳ではなく、幾つかありますが基本的にある特定の銘柄の最高級固形墨を使用します。誤った固形墨を使用すると仕上がりが悪く、最悪の場合…